Go to ONIGASHIMA!

このプロジェクトが始まるにあたっての経緯と、その際の皆さんの想いはどんなものだったんでしょうか?

BAZ-K(以下、B):元は自分が今展開している『OKAYAMA CITY』を使って、もっと岡山を宣伝していこうという想いがあったんですね。そんなときに知人から中山さんを紹介してもらい、岡山の今のきびだんご事情などを聞いていたんですね。その時に自分としては是非『OKAYAMA CITY』を使って何かをやりたいと思ったんです。そこから少し時間は空いたんですけど、自分自身が『OKAYAMA CITY』のパーカーなどを展開していることから、OKAYAMA AWARDも受賞できたというこもあって、今ならメディアへの影響力も少しはとれるようになったので、是非今のタイミングでやりませんか?と持ちかけたところ、中山さんから二つ返事で「やりましょう!」と言っていただき、そこから話がスタートしたんです。当初はデザインも自分たちでやろうと考えていたんですけど、自分自身、『OKAYAMA CITY』の立ち上げから今に至るまでの経験をして、一人のブレーン、影響力には正直限界を感じていたんです。なのでずっと3本柱で仕事をしたいと考えていて、その中で今回はデザイン会社を巻き込みたいと思い、探していたところ、トータルデザインセンターの上村さんと出会ったんです。上村さんもかなりのハイセンスを持たれている方で、すごく惹かれるものがあったんです。

よくこのコーナーで言っていることでもあるんですけど、保守性が悪いという訳ではなくて、保守をしなければならない部分もあるんですが、やっぱり新しい風も吹かないと刺激もないし、マーケットも大きくならない。ただ、新しいものだけでもだめで、古くからあるものと、新しいものを上手く混ぜ合わせ、何か岡山が盛り上がることを発信したいとずっと思っていた中で、老舗の中山昇陽堂さん、そしてデザイン業界で老舗のトータルデザインさんと出会い、そして自分のようにローカルの現場で活動しているこの3人が交われば、何かおもしろい化学反応が生まれると思い、この3人、3本柱でプロジェクトをスタートしたんです。

B:上村さんは、なぜこの話を一緒にやろうと思ってもらえたんでしょうか?

上村(以下、上):僕は出身が岡山ではないんですね。大学で岡山に来て、岡山の方にお世話になって、岡山が好きになって。そこから岡山に残って、縁あって今岡山で仕事をさせてもらっています。もちろん大阪や東京で仕事をすることもあるんですけど、やっぱりいつも、岡山で何かいいことが出来たらという想いで仕事をしています。なので今後も大阪や東京で仕事をする気はなくて、都会からの仕事を岡山に持ってきて、大きいことを言うと、バリバリのデザインをしたいなら都会に出て行かないといけない、という感覚ではなく、岡山でもバリバリに都会の仕事をできるデザイン会社があってもいいと考えているんですね。やっぱり岡山が好きなので、岡山の方に恩返しをしたいんです。そんなときにBAZさんが『OKAYAMA CITY』をやっていることを知って、おもしろいな~と思っていたら、たまたまBAZさんからお話をもらって、なんとそれがきびだんごのお話で(笑)。“これは面白いな!”と!僕自身の勝手なイメージではあるんですが、様々なパッケージデザインなどをさせてもらっている中で、きびだんごって新規参入はなかなか難しい業種のイメージがあるんですね。そんな自分一人では参入できない、岡山に昔からあるきびだんごのお話に、岡山出身ではない自分が携わらせてもらうことができる。とても魅力的ですよね!さらに、このプロジェクトのスタートともなった、きびだんごを通じて、岡山のために何かをできたら、というお話を聞いたとき、きびだんごは、おこしにつけたきびだんごで仲間を増やし、鬼退治をするという、他県の有名銘菓にはない、誰もが知っているとも言える歴史、ストーリがある。じゃあそのストーリー通りに、きびだんごで鬼退治ができたら面白い!と思ったんです。今の世に鬼というものは存在しないですけど、人を困らせたり苦しませたり、悲しませたりする物事を鬼に例えて、そんな鬼から誰かを助けることができたり、岡山も盛り上げれたりすることにも魅力を感じています。硬く言うとそうなんですが、僕自身はお2人とお会いできて、このメンバーで仕事をしたいと思ったのが一番の気持ちです。

B:中山社長は、なぜこの話を一緒にやろうと思ってもらえたんでしょうか?

中山(以下、中):私はきびだんごを商売として日々売っているんですね。でも、きびだんごが岡山にとって本当に必要なものになって欲しいという想いは、昔から持っていたんです。必要なものって一番分かりやすい例えで言うと、一家団欒の家族が囲むテーブルの上に、お菓子と一緒にきびだんごがある、という状況。自分の中ではこれが理想だったんですね。でも岡山の人は、きびだんごを買わないし、食べない。この状況を何かを変えることで、どうにか変えることはできないか考えていたんです。でもどうすればいいかがなかなか思いつかなくて。そんな中でも1つのきっかけとして、まずは学校の給食に入れてみたりもしたんですが、そこから先に何か発展させることができなかったんですね。岡山の県民性など、いろいろあると思うんですが、ある時にBAZさんとお会いする機会があって、そのときにBAZさんの手がけている『OKAYAMA CITY』のお話を聞いたときに、“なるほどな!”と思ったと同時に、そうやってちゃんと大きな視野で見て、考えている人がいて、そんな人たちがいろいろなことにチャレンジしている姿に、とても共感したんです。その中で、きびだんごというものが、岡山を盛り上げる1つのツールになるのであれば、是非協力したいと思ったんです。そこから3人でお話をさせてもらって、先ほど上村さんが言われた、物語の中のきびだんのようにやっていきたいというお話をいただいて、さらに自分の中で響いたんです。うちの会社は老舗のお店だということは自分自身では全く考えてもいないんです。ただ、考えてもいないにも関わらず何もできていない自分がいるということもすごく感じていたんです。先ほども話たように、きびだんごを岡山にとって必要なものにしたいと思ってはいるけど、きびだんごを使って岡山のために何かをしたかというと出来ていないし、思っているだけで何も出来ていなかったし、発想もなかったんです。なので、そんな発想を持っている若いお2人が居るというこがすごく心強いです。

B:でも逆に、自分たちが持ちたくても持てないブランド力や、ルートを中山さんは持っているんですよね。なのですごく勉強にもなりますし、そういう意味では、お互いに持っていないものを補填しあえる3社なのかなと感じています。僕自身がこうしたいっていうわがままな想いを皆さんにやってもらって形になっていっているんですが(笑)。

中:でもやっぱりこういうプロジェクトって、やりたい!という想いでどーんと突っ走ってくれる人がいないと止まってしまうんですよ。これまでそういった経験もしてきたし、僕自身が止めることも多くあったんです。なので走ってくれる人がいるということで、すごくやりやすいんです。

ちなみに、今回『鬼退治』というワードがポイントだと思うのですが、具体的にどんなことをされるんでしょうか?

上:今回のプロジェクト名が『きびだんごプロジェクト Go to ONIGASHIMA』というものなんですが、具体的にいうと、先ほども話したように、今の世の中で人々を苦しませる物事を『鬼』に例え、その鬼を退治しにいくという意味を込めて、売上の3%を岡山の児童福祉施設や盲導犬育成団体、シングルマザー支援団体等に寄付します。桃太郎のストーリー通り、まずはこのきびだんごで仲間を増やし、仲間全員で鬼を退治しに行こう!という想いを込めた、きびだんごを使った社会貢献活動です。なのでおいしいだけではなく、“鬼を退治できるきびだんご”という取り組みまでを、皆さんに発表していきます。

B:本当に素晴らしいプロジェクトなんです。自分のわがままな発想かもしれないんですが、こんな商品がいいなと言えば中山さんが出してきてくれるし、こんなデザインがいいなといえば上村さんが出してきてくれる。ただ、最初このプロジェクトがスタートしたときからずっと心がけていることは、常にお客さん目線であるということ。岡山の人って普段からきびだんごは食べないし、もちろん家に常にあることもないですよね。ただ、生産者はそうして欲しいという想いがある。この差にずっと違和感を覚えていて、そんなときに県外の人から「きびだんご意外とおいしいよ」って言われたんです。それがチョコきび餅だったんですね。さらに冷やして食べるともっとおいしくて。それを中山さんに持ちかけると、中山さんの周りでも、もっと宣伝したら売れるのに、という会話をしていたそうなんです。これが最初のきっかけとなり、コンセプトも味も3人でどんどんブラッシュアップして、今回の商品が『塩チョコきびだんご』になっていくんですね。やっぱりいいものは世の中に出していかないともったいないですよね。でも、ただ売るだけだと生産者と販売者がWINになるサイクルではなく、お客さんまでも巻き込んだWIN×WIN×WINの商品にしたかったので、今回の社会貢献活動を兼ねた商品にしたんです。社会貢献活動って、自分のところが儲かっていないとなかなか敬遠しがちなんですけど、やっぱり評価ってあとからついてくると思うんです。その評価が流行りになって、カルチャーになる。だからそのカルチャーをつくるために最初はしんどくてもどうしても取り入れたかったんです。だから欲を言えば、お土産という形で購入してもらうことはもちろんなんですけど、岡山の小さい子どもからおじいちゃんおばあちゃんにまで全キャリアに食べて楽しんでほしですね。

上:欲になるかもしれないですけど、おいしくて買ってくれる人もいれば、このプロジェクトの取り組みに共感して買ってくれる人もいるとうれしいです。食べ物を出していく以上、絶対的な味の自信は必要なので、お客さん目線というのは大賛成です。お客さん目線でいうと、価格設定も同様のことが言えると思うんです。少し失礼になるかもしれないんですけど、コンセプトや取り組み内容の打ち出しで頭でっかちになってしまって、価格設定がすごく高いものが今の世の中には非常に多いと感じるんですね。でもそれだとWIN×WIN×WINの関係は作っていきにくいですよね。だから今回のプロジェクトでは、価格も適正で、味はもちろんおいしくて、さらにそれによって誰かのためになる、というしっかりしたWIN×WIN×WINの形をつくりたいんです。ただ、今回売上の3%を寄付します、と公に打ち出していく以上、まずは売れないと土俵に乗っていかないので、根本的なことから常にお客さん目線で進めていきます。

B:今回はまず3%を寄付するという形で進行していますが、例えば元阪神タイガースの赤星さんがされていた“1盗塁で1つの車椅子を寄付”という取り組みのように、もっと別の形の誰かのためにできることの形はあると思うんですね。例えばきびだんごが1つ売れれば、シングルマザー支援団体にオムツを寄付したりなど。なので、この3社だけでのプロジェクトにするのではなく、一緒におもしろい化学反応を起こしたいという方や、突破口を探している方がいれば、すぐにビジネスになるかはわからないけど、一緒に取り組むことで、新たな人脈ができたり、先ほども言ったようなカルチャーができて、ムーヴメントができると思うんです。そのカルチャーをまずはどんどん根底につくっていきたいので、もし今回この紙面を見て、何かを一緒に取り組める方がいれば、是非参加していただきたいですね。

上:だから今回のプロジェクト名を大きな視野で『G0 to ONIGASHIMA』とうたっていて、一緒に鬼ヶ島に行きたいという人がいればどんどん参加してほしいですね。

中:そうですね。そういった意味では狭い視野でなくて広い視野で見ると、買ってくれるお客様はもちろん、このプロジェクトに協力してくれる仲間が増えることも、いわゆる今回のターゲットになるなと考えています。

B:何度も言うんですけど、このプロジェクトに興味があれば是非一緒にやりたいんです。岡山の方って、インプットは得意なんですけど、アウトプットが苦手だと聞くんです。どんな業種においても、今からでも東京に出てやっていけるぐらいの個々のスキルを持っている人は岡山にいるんです。ただ、発信の方法がわからず、停滞してしまっているという状態なんですよね。いろんな方と話をしていると、みんなやっぱり何かをしたいという想いはあるんですよ。だから発信をしたいんだけど、発信するプラグがなくて、何をするか、したいかが明確になっていないようになっている人が多いと思うんです。だったら自分だけが得するようなことを考えるんではなくて、このプロジェクトのように、できる人と一緒にやっていけばいいと思うんです。僕たちはこういったプロジェクトが、岡山を盛り上げる何かの起爆剤になってほしいという、ビジネスというよりは、カルチャーをつくっていきたいという想いが一番なので、これが岡山の人、街に浸透していってくれればうれしいですね。



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✳︎Guest

中山 健太郎 Kentarou Nakaya

株式会社中山昇陽堂 代表取締役社長

✳︎Guest

上村 祐貴 Yuuki Uemura

株式会社トータルデザインセンター 代表取締役社長

✳︎Interviewer

BAZ-K

THE MANSIONオーナー


KIBIDANGO PROJECT Go to ONIGASHIMA公式HP

http://go-to-onigashima.com/

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